豚姫の姫豚:埼玉名物に 上里SAで料理人気/埼玉
更新日付
08/03/2010
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◇神川の大畠さん飼育
自然豊かな神川町で伸び伸びと育った健康豚「豚姫の姫豚」の料理が7月から、関越道下り線の上里サービスエリア(SA)限定で提供されている。上品な味だけでなくエサや飼育環境の管理にこだわった豚肉は評判も上々。関係者は「新しい埼玉のブランドになってほしい」と期待を込めている。
姫豚を育てているのは、神川町植竹の養豚業、大畠永行さん(61)、真由美さん(58)夫妻。姫豚とは、三元豚の中から特に肉質が良い豚のことで、年間に出荷する三元豚2400頭のうち週に10頭だけを厳選して上里SAに卸している。真由美さんの幼なじみの茂木八千代さん(58)が「養豚業の姫が育てた豚だから」と命名。7月に商標登録された。
76年から養豚業を始めた2人。関東周辺の名高い同業者などから話を聞いて回り、20年かけて独自の飼育方法を編み出した。母豚が元気な子豚を産むよう、1頭ずつのケージ飼いにせず屋外に放牧してストレスを与えない。豚舎は定期的な高圧洗浄などで人間の赤ちゃんが遊べるほどの清潔さを保つ。出荷するまでエサの飼料配合をまめに変える。手間をかけた分、軟らかいうえクセがなく、さっぱりとした脂身の肉に仕上がるという。
2人は自分の豚肉に自信があるのに、肉問屋に卸した後の販路が分からなかったり、他の肉と混ぜられることに不満を抱いていた。「直売できないか」と考えていた今年2月、上里SAを運営する上里レストランプリンス副支配人の酒巻清文さん(45)から声をかけられた。
「地産地消のSAにする切り札に姫豚料理はうってつけ」と酒巻さん。願ってもない申し出に大畠さん夫妻は快諾。メニューはとんかつやポークソテーなど5種類で、値段は1300〜1980円。休日には110食が出る人気ぶりという。
大畠さんは「お客さんの、『おいしい』という生の声が聞けることがうれしい。将来はインターネット販売も考えたい」と話している。上里SAには一般道からの入場もできる。問い合わせは電話0495・33・2666同SA。(毎日新聞)